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モーションコントロールについての3つの注目すべき点から、リニアモーター市場をより理解できる
最近、モーションコントロール市場で最も注目されているのはサーボ製品の値上げだろう。
専門的なモーションコントロール市場調査企業として、MIR睿工業はもちろんサーボ製品だけに注目することはない。
モーションコントロールについての3つの注目すべき点から、リニアモーター市場をより理解できる
注目すべき点1:モーションコントロール市場では、サーボ以外に、どの製品が値上げされているか?
答え:リニアモーター!
MIR睿工業の川下顧客への聞き取り調査によると、リニアモーターメーカーは徐々に値上げをしている! 下の表に示すように:
2022年第1四半期におけるリニアモーター/ドライバー・メーカーの値上げに関する情報-一部 | ||
メーカー | 値上げ製品 | 値上げ幅 |
Akribis | 可動・固定子+ドライバー | 国産ブランドより大きい |
上銀科技 | 可動・固定子+ドライバー | 国産ブランドより大きい |
大族電機 | 固定子+ドライバー | 5%~10% |
德瑞精工 | 可動・固定子+ドライバー | 5%~10% |
線馬技術 | 可動・固定子 | ~15% |
高創 | ドライバー | 8%ぐらい |
(情報出所:MIR DATABANK)
実際、MIR睿工業の情報によると、2017~2021年、各サプライヤーのリニアモーター製品の技術がますます成熟するにつれて、国産ブランドは勢いよく参入し、市場競争を激化させた。各サプライヤーは次々に生産コストを最適化し、リニアモーターの全体市場価格は下落傾向にある。
2022年第一四半期のリニアモーターメーカーは原材料コスト上昇の圧力に直面した為、続々と値上げをした。原材料の情況を詳しく調べた結果:
モーター:希土類線と銅線は主にリニアモーターの永久磁石と巻線のコストに影響を与える。
ドライブ:チップ不足。ネオンガスはチップ製造の重要な原材料であり、ウクライナは世界のネオンガス供給量の50%以上を占めており、ロシアとの紛争がチップ不足をさらに深刻化させた。
注目すべき点2:リニアモーターの値上げは、OEM顧客の需要・調達の減少につながり、2022年のリニアモーター市場の下落につながるのか。
MIRの見解:一定の影響を与える可能性があるが、MIR 睿工業は、この程度の市場下落幅は、2022年の全体的な市場規模を下落させるのは十分ではないと考えている。主な理由には、次の点が含まれるが、これだけに限らない:
リニアモーター製品の価格は確かに上昇しているが、その主要な代替ソリューション(回転サーボ+ボールねじソリューション)の価格も上昇しており、顧客が価格の要因だけで別のソリューションを使用する可能性は低い。
リニアモーターの主な川下産業は半導体、リチウム電池、太陽光発電等の業界を主とする新興業界であり、業界での設備使用規模は引き続き増加しており、そのうちリニアモーター(モジュール)を使用する設備規模も拡大しており、これらの業界の2022年の成長可能性は依然として高く、リニアモーターに対する需要も期待できる。
製品のカスタマイズ化と販売モデルの特徴により、OEMメーカーや販路業者は2021年に事前に商品を買いだめした為、2022年の注文を減らす可能性も極めて低く、2022年の需要の大部分はやはり当年の調達量に依存する。1)カスタマイズ化について: サーボに比べて、 リニアモーターのカスタマイズ化はより高い。簡単に言えば、顧客が通常リニアモーターモジュール(固定子+可動子で構成されたリニアモーター、ドライバー、ガイドレール、リニアエンコーダー等と組み合わせる)を使用し、モデルによってモジュールパラメータに対する需要はそれぞれ異なり、OEM顧客は事前に少量の汎用製品を調達するかもしれないが、大量に買いだめするのはよく見られない。
2)販売モデルについて:リニアモーター市場に於ける国産メーカー全体のシェアは高く、現在の市場では直販モデルの割合がより大きく、販路業者はそれほど多くなく。MIR睿工業の調査によると、値上げする前に販路業者が事前に商品を買いだめする状況も多くない。
2022年のQ1リニアモーター(モジュール)メーカーのパフォーマンスを見ると、通年では楽観的である。最近の情報によると、一部の上位メーカー第1四半期の業績成長率は2桁に達した。また、電子、工作機械業界の受注減少により、成長率は昨年の同時期に比べて緩和したが、その他の業界の需要は依然として高い成長を維持した為、通年の成長率は楽観的である。
注目すべき点3:リニアモーター市場の状況はどうなのか。
リニアモーター市場の最新の変化について述べたが、リニアモーター市場の規模はどのくらいなのか、読者も気になると思う。ここ数年で何が変わったのか、今後どのように成長していくのか、MIR 睿工業は、以下でリニアモーター市場のいくつかの顕著な特徴について簡単に説明する。
MIR DATABANKのデータによると、2021年の中国のリニアモーター市場規模は40億元ぐらいに達し、成長率は過去最高を更新した!
1、2021年リニアモーター全体市場は急速に成長し、その他の主要モーションコントロール製品市場(サーボ、コントローラー)の成長率を上回った。
2018-2025Eリニアモーター全体の市場規模と成長率分析(M RMB)
(データ出所:MIR DATABANK)
MIR睿工業は、2021年の国内リニアモーター市場の成長要因は:
新エネルギーに対する国の強力なサポートと海外の疫病の深刻化により、国内OEM業界は全体的に好調に推移し、リニアモータの主要な川下産業の電子、工作機械、半導体、太陽光発電、リチウム電池等の需要は急速に上昇している。業界では製品に対して要求がある。例えば電子業界で使用される一部の精密接着剤スポット塗布機は精度に対する要求は非常に高く、通常のサーボでは高精度の要求を満たすことが難しい為、リニアモーターを使用する。業界で使用される製品の増加もリニアモーター市場の成長を牽引している。
市場需要の拡大とリニアモーターサプライヤー間の激しい競争により、リニアモーターの価格は下落し、顧客満足度はますます高まっており、市場の成長を促進している。
2、リニアモーターモジュールは依然として市場の主要製品モデルである。
2018-2025Eリニアモーター全体の市場規模と成長分析-製品別(M RMB)
(データ出所:MIR DATABANK)
顧客:顧客はモジュール製品を使用する必要があり、川下顧客の多くはインテグレーション能力が弱く、リニアモーターモジュールを購入する傾向がある。顧客のインテグレーション能力はリニアモーター市場のカスタム化の特徴により制限されており、リニアモーター市場は今後もリニアモジュールを主要販売方式とする。
価格:製品価格全体が低く、モジュール製品全体を購入することは、顧客自身がそれぞれモータ、ドライブ等の製品を購入することよりも、コストパフォーマンスが良い場合がある。
サプライヤー:市場の成熟度が高まるにつれて、リニアモーター単品のサプライヤーは技術的な発言権が強くない。サプライヤーはリニアモーターモジュールを販売する意欲が高く、顧客の再購入意欲を高める。
3、リーディングカンパニーは安定し、1億を乗り越えたメーカーの数が増えた。
2021年リニアモーターのサブサプライヤー市場シェア(M RMB)
(データ出所:MIR DATABANK)
リニアモーターの業績が1億を乗り越えたメーカーは10社(上図オレンジ色のメーカー)に増え、国産ブランドが勢いを増しており、国産ブランドの割合は更に増加した。
MIR睿工業が作成した「2022年中国リニアモーター市場標準報告書」は中国国内リニアモーター市場に焦点を当て、供給、需要、業界パフォーマンス等の面から2021年の中国リニアモーター市場の状況と今後の動向を分析した。この報告書は新しいPPT形式で作成されており、ページ数は56であり、報告書の目次と主要内容は以下の通りである: