業界観測

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国産半導体産業のブレイクアウト-パッケージテスト設備編

半導体産業の国産化の道で、パッケージテスト設備は既に力を蓄えて走る準備をしている。


 

2022年は新エネルギー車市場が爆発的に拡大した第4年であり、チップ不足の第三年である。

現在現れている局面はおかゆは少ないのに分ける僧侶は多い新エネルギー車の需要量が多いが、チップが不足して制限を受けている為、車を売ることができても生産することができず、全体の産業は成長状況が不安定しており、同様に、他の多くの業界もこの苦しみを受けている。しかし、「世界的なチップ不足」というブラックスワン事件で多くの業界が苦境に立ち、だが、半導体業界にとってはまた別の光景である。

 

不足があるからこそ補充しなければならない

 

チップ生産能力の不足は半導体パッケージテスト市場の力強い成長のバルブを開いた。

パッケージテストはこれまでずっとチップ産業チェーンの中で最も技術の含有量がない分野と見なされており、産業チェーンの中での地位と利益能力はいずれも強くなかった。しかし、この為、パッケージテストは中国国内企業が早く国際チップ産業チェーンに参入した分野である。現在、グローバルパッケージテスト市場に於いて、長電科技、通富微電、華天科技の三大国産パッケージテストメーカーは既にグローバルパッケージテストメーカーTOP10に入っている。長電科技は相変わらず中国国内パッケージテスト市場の第一で、2020年の親会社株主に帰属する当期純利益は前年比1287.27%前後増え、2021年の親会社株主に帰属する当期純利益は前年比126.8%増え、大きな市場需要は長電科技の売上高の増加に充分な原動力を加え、他のメーカーも同業界で事業展開を図っている。

言うまでもなく、ある業界分野が本当に利益が取れるようになれば、自然と資本が押し寄せてくる。2021年には中国国内の多くのパッケージテスト工場が着工、稼働し、契約を締結し、パッケージテスト事業が各分野で急成長したと言える。大まかな統計によると、2021年通年のパッケージテスト業界は20件以上の事業を契約し、投資額の多くは5億元を超え、うち100億元以上の投資があった。

2021年一部半導体パッケージテスト分野契約プロジェクト

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(情報源:MIR DATABANK

既に落成したパッケージテスト事業のうち、19事業が着工し、24事業が竣工、稼働、量産、生産拡大の段階に進んでいる。

2021年のパッケージテスト分野の一部稼働と着工済みの事業

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(情報源:MIR DATABANK

これまでコンシューマーエレクトロニクス業界に注目してきた「果物チェーン上位メーカー」立訊精密は2022221日に会社は9.5億元の資金を募集して半導体先進パッケージテスト及びテスト製品生産ライン建設プロジェクトに投入し、これを通じて半導体パッケージテスト分野に入り、スープを分けようと試みていると表明した。


需要があってこそ供給がある


各パッケージテスト工場が生産を拡大するにつれて、生産能力の目標を予定通りに実現することを保証する為に、設備は必ず争う場所になり、関連するパッケージテスト設備企業の地位も高くなった。

l 2021年通年、華峰測控は売上高が8.78億元で、前年比120.96%増となり、親会社株主に帰属する当期純利益は4.39億元を実現しており、前年比120.28%増となっている。

l 長川科技の1月に公表された売上高予測によると、2021年間の親会社株主に帰属する当期純利益は1.8億元~2.3億元で、前年比112.12%171.04%増加する見込みである。

この2社の売上高が倍増したのは、いずれも生産能力が長期的に不足し、エンドユーザーの需要が旺盛で、同社の受注が引き続き好調だった為だ。一部の顧客の発注は納品が遅れる状況があり、生産は2023年迄になった。 

同様に、企業の良好な発展は自然に半導体パッケージテスト設備市場の急成長を牽引する。MIR DATABANKのデータによると、2021年に中国大陸部の各種パッケージテスト設備の市場規模はいずれも急成長し、プローブステージ、ワイヤボンディング、マウンタ設備は殆ど倍増し、成長率はいずれも85%以上である。

2021年中国大陸パッケージテスト設備セグメント市場規模

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(データ出所:MIR DATABANK

パッケージテスト工場の大幅な生産拡大を背景に、続いた需要はパッケージテスト設備市場の力強い成長の原動力となり、今後2年間でパッケージテスト設備市場は60%以上の成長率を維持すると予想され、市場は引き続き急成長している。

 

国産がブレークアウト


半導体産業チェーンに於いて、チップ設計、ウエハー製造、パッケージテストの三つのキーノードはチップ製造の完全なセクションを繋ぐ。

パッケージテスト設備はパッケージテスト段階の重要なサポート産業であり、この分野の国産企業の急速なブレークアウトは中国が半導体の完全な産業チェーン分野でのブレークアウトに役立つ。

現在、各種の主要なパッケージテスト設備市場には、いずれも優秀な国産メーカーが現れており、その中で試験機、選別機の国産化プロセスは速く、代表的なメーカーが際立っている。

2021年中国大陸パッケージテスト設備国産化率

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(データ出所:MIR DATABANK

華峰測控の事業範囲は現在、主にアナログ、デジタルアナログ混合、ディスクリートデバイス試験機の分野をカバーしており、試験機市場の約30%を占めており、華峰測控がこのほど発表した2021年次報告書によると、同社はSoC集積回路の試験分野に参入する計画で、この分野は華峰測控が現在位置している分野の約2倍の市場があり、華峰測控が天井を2倍「高く」したことに相当する。また、SoC集積回路と大電力デバイスのテスト分野で強い技術を備蓄しており、新製品STS8300も多くの顧客の発注を獲得し、一定の設備取付規模を獲得しており、IPO募集投資事業は稼働した後、年間200台のSoCテスト設備の生産を実現し、ハイエンド市場に徐々に浸透している。  

また、華峰測控は今後もM&Aへの投資を引き続き推進し、「1+1>2」のM&A意欲の実現に努めており、現在も産業ファンドへの投資を含むいくつかの対外投資を行っており、中国及び世界で適切なM&Aプロジェクトを評価していることが分かった。現在、世界で独占的な地位にあるTeradyneADVANTESTはいずれもM&Aによって成長した。Teradyneがワイヤレス製品、データストレージ、更には国防航空宇宙テストの分野に事業を拡大できたのは、2008年から2013年の間に行ったいくつかのM&Aのおかげである。さらに例えば、ADVANTEST2011年に9.76億ドルを費やしてVerigyを買収し、それによってSoC試験機のコア技術を獲得したが、それでなければ、ADVANTESTは今だにSoCテストの分野でTeradyneに及ばない。  

国産メーカーでは選別機と試験機を主とする長川科技が一足先に海外資産の買収を進めており、EXISという会社をターゲットにしている。取引が完了すれば、長川科技は重量選別機、並進式選別機、ターレット式選別機の製品を全面的にカバーすると同時に、EXISの販売ルート、研究開発技術等の面での蓄積を獲得する。

市場の需要が絶えず押し寄せ、分野に於ける国内上位メーカーの注力に伴い、今後、半導体パッケージテスト設備の国産代替がローエンド市場からハイエンド市場へと徐々に移行し、国産化代替のハイエンドチップ市場での放出に伴い、市場構造が変化する見込みがあり、国産市場の空間が広いと信じる理由がある。

 

半導体産業の国産化の道で、パッケージテスト設備は既に力を蓄えて走る準備をしている。結局のところ、本当に足を踏み入れるのは、永遠に自分の技術を持ってこそ、それを身を守る利器に変える。国産化に向けて、半導体の他の分野も追随していきたいと考えている。