2020年中国産業用ロボット市場の調査報告
2019年に産業用ロボット市場において新製品が発売されるため、メーカーは製品の構造、負荷、ソフトウェアなどの面で競争を繰り広げたが、協調ロボットは依然として注目を集めている
報告概要:
l 2013年から中国の産業用ロボット市場は急速に発展してきたが、2018年下半期から急転し、市場の需要は四半期連続で落ち込んでいる。2019年下半期に市場は回復、成長率はマイナスからプラスへの転換を実現し、出荷台数は前年同期比3.5%減となった。
l 2019年には市場の需要は減少したが、依然として光明とチャンスがある。2019年に産業用ロボット市場において新製品が発売されるため、メーカーは製品の構造、負荷、ソフトウェアなどの面で競争を繰り広げたが、協調ロボットは依然として注目を集めている。5Gのキラーアプリケーションは、ボディの設計と通信方法が変更されるだけでなく、5GのITインフラと組立加工用端末設備などのロボットの新たな用途をもたらす。2019年には、科学技術革新委員会（STARマーケット）が正式に立ち上げられ、資本面から見ると業界の資金調達チャネルの拡大に貢献する。第4四半期における中米貿易戦争協定の締結は、業界に朗報をもたらすと予想される。年末に発生した新型コロナウイルスは2020年の市場に短期的な衝撃を与えるが、人々のロボットに対する認識も向上し、長期的には製造業の「機械が人の代わりに働く」を加速させる。現在、産業用ロボット市場は新しいチャンスと挑戦に直面している。MIRはロボット産業チェーンに注目しており、2019年の中国産業用ロボット市場の変化と将来の動向を全面的に分析する。
2015-2022中国産業用ロボットの全体市場規模と予測（台）
（データ出所：MIR Databank）
l メーカー側から見ると：国内資本のメーカーのシェアは2019年も引き続き拡大し、30％に達する。国内資本のメーカーは末端業界で外資メーカー品の代替を実現しており、その中でHuichuan、Estun、Deltaなどが注目されている。2019年、ロボット工学の分野に初めて参入したKanopsの出荷台数は1500台を超え、将来的にハンダ付けからハンドリングおよびパレタイジングに徐々に拡大していく。自動車および3Cの株式市場から大きく影響を受け、戦略的調整などの要因により、外資メーカーはマイナスの成長傾向を見せていた。Nachi、Staubliなどは異なる程度の増幅があった。外資メーカーが中国で現地化を拡大するにつれて、中小企業はより大きな圧力に直面し、業界構造に新たな変化が生じる可能性がある。
2015-2019中国産業用ロボットの国内外資本の比率
（データ出所：MIR Databank）
l 業界から見ると：電子、自動車の完成車及び部品業界における市場の需要が減少した。半導体、家電、自動車用電子機器の成長率は期待を下回る。リチウム電池、太陽光発電、食品医療、物流、金属加工などの業界は急速な成長を維持している。景気下振れの背景に、産業用ロボットの顧客業界は徐々に自動車から金属加工、食品医療、日用品、太陽光発電、通信などの業界に浸透し、新たな派生市場をもたらす。
2019年主要な川下業界における産業用ロボット製品の成長状況
（データ出所：MIR Databank）
l アプリケーションシーン:(1)ロード・アンロードのアプリケーションシーンの中で、包装用、工作機械ロード・アンロードなどの用途のロボットに使用される。パレタイザ、検出、プラスチック成形のニーズが減少。既存の検出は主に寸法、厚さなどの数量化の検出・測定であり、傷、色差、汚れなどの数量化の検出・測定方法により、ロボットロード・アンロードのニーズは急速に増加することを期待。(2)溶接アプリケーションシーンにおいて、スポット溶接のニーズが下落、アーク溶接とレーザー溶接ロボットは増加。2019年、国産メーカーのTURING、配天、CRP、銭江はアーク溶接の新製品を発売。今後5G技術の発展が期待される基地局、アンテナなどの製品は、はんだ付けのアプリケーションの増加を牽引。(3)塗装、研磨、組立集成分野のニーズが低下。現在、塗装・研磨のアプリケーションはロボットの体積が小さく、将来、ソリューションの成熟、また、コストの削減、金属加工、バスルーム、軌道交通、船舶、飛行機などの商機に連れて、塗装・研磨のアプリケーションはまだ大きな潜在力がある。
2019年主なアプリケーションシーンにおける産業用ロボット製品の増加状況
第一レベルのアプリケーション | アプリケーションの内訳 | 2019年の変化 |
運搬及びロード・アンロード | 金属鋳造の運搬やロード・アンロードに用いられる。 | á |
プラスチック成形の運搬やロード・アンロードに用いられる | â | |
スタンピング、鋳造、板金の運搬やロード・アンロードに用いられる。 | á | |
工作機械の運搬やロード・アンロードに用いられる。 | á | |
検出、テストの運搬やロード・アンロードに用いられる。 | á | |
パレタイザの運搬やロード・アンロードに用いられる。 | â | |
包装、放置の運搬やロード・アンロードに用いられる。 | á | |
材料の運搬やロード・アンロードに用いられる。 | á | |
材料を掴む。 | â | |
クリーニングルームの運搬。 | á | |
溶接 | アーク溶接 | á |
スポット溶接 | â | |
レーザー溶接 | á | |
超音波溶接 | á | |
はんだ付け | â | |
ハンダ | â | |
コーデイング及びシーラント | スプレー（スプレーペイント、スプレーグレーズ） | â |
接着剤塗布 | â | |
材料加工 | レーザー切断 | â |
ウォーターカット | â | |
機械切断、研磨、バリ取り、ポリッシュ | â | |
装備集積 | 組立、取り付け、埋め込み | â |
電子組立 | â |
（データ出所：MIR Databank）
l モデル別：6-axisの体量が最も大きく、成長が低迷し、下落した。SCARAは3Cの影響を受け、下落傾向を呈し、Collaborative、Deltaは逆に上昇した。協調ロボット市場を例にして、2019年自動車部品、工作機械加工、家電などの業界に活用する大負荷協力は順調的に発展している。協同活用分野は引き続き消費側に向かい、飲食、新小売、医療補助などの業界に注力。また、新型肺炎は物流、食品医療業界における協同の活用を促進。サプライヤー側、UR、AUBOは依然として安定しており、市場成長の主力である。また、新規参入者である榛者智能のほか、配天、華数、EFFORT、TRUINGなどの国産メーカーも提携モデルを発表している。
2017-2019年中国産業用ロボット各モデルの成長状況
（データ出所：MIR Databank）
l 競争が激しくなる市場環境に直面し、産業ロボットブルーオーシャンを発見することはできるか?MIRは顧客業界に対して全面的新堀を行い、それにより、将来3年間、最も潜在力がある新興業界:半導体、5G、医療用品を選択した。MIRは業界の産業チェーン、工程プロセス、自動化の問題点、既存ロボットの使用情況、将来の潜在用量とモデルのニーズ、業界システムのSI、顧客などに対して全面的分析を行い、産業用ロボットの市場の増量と商機を見つける。
l 以上の話題について深く検討し、産業用ロボットの市場動向を把握するため、MIRは「2020年産業用ロボット市場調査報告書」を作成。本報告は中国産業用ロボット産業の発展現状について詳しく分析し、今後3年間(2020—2022年)の産業発展の潜在力、製品活用及び業界の商機を分析し、企業側、投資側、証券会社などに参考価値がある調査報告を提供。
Part A 2015-2022年産業用ロボット市場全体分析
ü 2015-2022年中国における産業用ロボット市場全体の販売規模推移
ü 2015-2022年中国における産業用ロボット市場全体の販売規模推移-モデル別
（SCARA、Collaborative、≤20kg 6-axis、>20kg 6-axis、Delta）
ü 2015-2022年中国における産業用ロボット市場全体の販売規模推移-内外資別
ü 2015-2022年中国における産業用ロボット市場全体の販売規模推移-負荷別
（軽負荷：SCARA、Collaborative、≤20kg 6-axis、Delta；重負荷：>20kg 6-axis）
ü 2018-2019年中国における産業用ロボット市場全体の販売規模推移-用途別
（搬送とロードおよびアンロード、コーティングとシーリング、アセンブリ、材料加工、溶接等）
ü 2018-2019年中国における産業用ロボット市場全体の販売規模推移-業界別
（自動車車体、自動車電子制御装置、自動車部品（非電子機器）、電子機器、金属加工、リチウム電池、太陽光発電、半導体、食品飲料、医療用品、家電製品、化学製品、倉庫物流等）
ü 2019年中国における主要な産業用ロボットサプライヤーの市場販売規模、シェア、ランキング
（40社余りの国内外メーカーを紹介）
ü 2015-2022年四半期別の産業用ロボットの市場規模
Part B 産業用ロボットに関するホットな話題の深堀分析
話題1：2019年産業用ロボットの新品整理、協働ロボットはまだホットスポット
話題2：ロボット技術の発展傾向分析：ソフトウェア（操作システム、オフラインプログラミング、シミュレーションソフトウェア等）、ハードウェア（制御駆動一体型、多軸連動等）
話題3：協働ロボットをはじめとする産業用ロボットは工業分野から消費分野に進出しつつある。
話題4：科創板は業界の資金調達チャネルを開拓する可能性が高い。
話題5：システムのインテグレーターの現状及び将来（地域、業種、使用規模、利益状況、支払条件、現在の問題点及び今後の発展傾向、提案等により分析する。）
話題6：2019年ロボット本体メーカーの増設状況一覧
話題7：2019年各省、都市のロボット関連政策まとめ
Part C 2019年異なる種類の産業用ロボットの市場分析（SCARA、≤20kg 6-axis、>20kg 6-axis、Collaborative、Delta）
ü 2019年SCARA ロボット市場分析
• 2015-2022年SCARAロボット市場の販売規模推移
• 2015-2022年SCARAロボット市場の販売規模推移-内外資別
• 2018-2019年SCARA主要メーカーの出荷量ランキング
• 2018-2019年SCARA市場におけるメーカーシェアの変化
• 2018-2019年SCARA市場の販売規模-業界別
• 2018-2019年SCARA市場の販売規模-用途別
• SCARAホットトピック分析（重負荷、駆動制御一体型、逆転、価格戦争）
ü 2019年≤20kg 6-axisロボット市場分析（同上）
ü 2019年>20kg 6-axisロボット市場分析（同上）
ü 2019年Collaborativeロボット市場分析（同上）
ü 2019年Deltaロボット市場分析（同上）
Part D 新興業界の商機分析
ü 半導体
• 業界概況分析：川上下産業チェーン、業界発展の歴史及び現状、業界コアユーザー、主要システムインテグレーター、技術発展傾向、2019年業界関連政策、主要プレーヤーの投資及び協力動向等
• 業界の主なプロセスとロボットの使用状況分析：業界の主なプロセス、使用するロボットのモデル、負荷及び代表的なアプリケーションソリューションの分析
• 業界のロボット市場規模分析：2025-2022年の産業用ロボット市場の販売規模推移、2019年のロボット市場規模（モデル、サプライヤー、用途により分析する）
ü 5G（同上）
ü 医療用品（同上）
Part E 10社の重点メーカーの動向分析
ü Fanuc（会社の基本概況、中国地区の拠点一覧、主要製品及び2019年の新品状況、2019年の業績状況、主要な顧客業界、代表的なアプリソリューション分析、2019年の主要な市場動向及び今後の発展傾向等）
ü ABB（同上）
ü Yaskawa（同上）
ü KUKA（同上）
ü Estun（同上）
ü Efort（同上）
ü Epson（同上）
ü Inovance（同上）
ü UR（同上）
ü AUBO（同上）
Part E 新型コロナウイルスが産業用ロボットに対する影響の分析
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