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新型肺炎による自動化市場への影響分析及び2020年の市場機会の予測

1月30日

今回の新型肺炎による「中国经济への影響、製造業への影響、そしてオートメーション業界は2020年にさらに衰退するか?」について詳細に分析する。

新年から、中国で新型肺炎が流行し、現在全国民がウィルスと闘っている。政府は春節の休暇を延長し、各主要都市は交通規制を実施し、目下医療物資の供給が不足している。今回の新型肺炎による「中国经济への影響、製造業への影響、そしてオートメーション業界は2020年にさらに衰退するか?」について詳細に分析する。

 

1.   中国経済全体への影響分析:

l  最も参考になるのが、2003年のSARSが中国経済への影響である。その年のGDPは第2四半期には著しく低下したが、当時中国はWTOに加入したばかりで、高度経済成長の大きな環境の下で、影響を受けた期間は非常に短かった。


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(データ出所:国家統計局)


l  現在の状況は2003年と大きく異なる。中国の総GDPと経済力は当初とは比較にならない;一方、中国の経済状況は2019年の米中貿易戦争や電子業界/自動車業界の産業サイクルの影響を受け,元々厳しい状況になっている。そのため、今後の経済の動向を判断するのは難しい。最も重要な要因は、今回の新型肺炎が短期間で有効にコントロールされるかどうかである。現在中国経済発展の状況によると、5G、半導体、新エネルギー自動車などの強力な経済推進力があり、中米貿易戦争も緩和されている。もし短期間でコントロールできるならば、中国経済の状況は昨年よりもよい確率が高い。


2.   製造業への影響


l  今回の新型肺炎は中国の製造業にも影響が大きい。湖北省武漢市を中心とする華中地区は、中国製造業の中心の一つであった。短期間に肺炎の流行がコントロールされても、人員の隔離、休暇期間の延長、交通の管制などの総合的な影響を受け、湖北省と武漢の制造業は短期的には回復しにくい。

影響が大きい業種は以下の通り


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(数据来源:MIR Databank)


l  それにもかかわらず、今回の肺炎は、特に医療用品関連の業界等、少数の業界に有利な影響を及ぼす。全国的から見ると、医療用マスク及び関連防護用品業界は、最も直接利益を受ける業界である。それらは、浙江省、山東省、江蘇省、河南省、河北省、広東省にメーカが集中している。自動化の視点からは,短期間で需要供給が大きく変化するのは,スマート製造であるため,これらの企業にデジタル化を進めることは,2020年が最も良いタイミングである。


全国医療マスクと防護用具業界の分布図

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(数据来源:MIR Databank)


l  また,新型コロナウイルスの抗生剤も集中的な研究開発が行われており、全国の主要な医療ウイルス研究機関は、有名な製薬会社と協力して抗生剤を開発している。 抗生剤が開発され、テストに合格すると、短期間に大量生産される。

注目すべき企業リスト:

 

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データ出所:MIR Databank)


l  製薬設備業界も収益産業の一つで、各種の医薬設備の中で、医薬包装設備の販売量が最も多く、生産企業が最も多い。

医薬品包装設備と関連企業の状況:


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(数据来源:MIR Databank


医薬関連業界以外に、病院の新たな建設も必要であり、今回の流行により、中大型病院の発熱外来は独立して設置されるようになり、発熱病棟の各種の隔離措置も予定されている。。これは関連産業、例えばHV/AC業界の急速な発展をもたらす。

 

l  オートメーション市場の2020年予測

2019年は、米中貿易戦争、電子業界、自動車産業のサイクルの影響で、オートメーション市場に大半の製品の成長率がマイナスに予測されている。一部の有名な外資系企業、例えばシーメンス、GEなどではリストラも行われた。少し前まで高速成長を続けていた企業、なども2019年の成長率が大幅に下がった。2020年に入り、新型肺炎の流行に追い詰められ、オートメーション市場の見通しは明るくない。しかし、全国的に厳しく強力な措置で、ウイルスが敏速にコントロールされる確率は大きい。通年の市場に影響を及ぼすのは相対的に限られており、今年5 Gが中国の大規模なアプリケーションや、電気自動車、半導体などの業種が中国経済を強力に推進し、自動化市場の状況は、昨年より改善するだろう。

主要製品の成長率は次のように予測される:


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(数据来源:MIR Databank 

 

オートメーションの顧客業界は幅が広く、基本的には各業界に関連しているが、業界別の発展状況も異なる。図はMIRが予測した2020年の各業界のオートメーション化製品の成長状況を示している。

Ø  設備製造業:


各設備製造業界の成長率

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(数据来源:MIR Databank


l  上の図から分かるように、大部分の業種は、製造業全体の景気低迷の影響を受け、2020年にはマイナス成長を続けているが、半導体業界、リチウム電池業界は、国家政策傾斜業種に属し、2020年には高速成長を続けており、製薬業種、物流業種などは今回のウイルスの原因で成長する。電子業界、液晶業界は、5G携帯電話の普及により2020年に急成長する見込み。

 

 

Ø  エンドユーザー業界:


各エンドユーザー業界の自動化製品の成長率

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データ出所:MIR Databank)


l  エンドユーザーの業界成長予測に於いて、冶金、化学工業などの業界は2019年に比較的に良い成長傾向を維持し、交通運輸業は新型肺炎の影響により大幅に成長が減少する。また、自動車業界は2019年には低迷しており、MIR2020年に新エネルギー自動車の牽引と新たな米中貿易協定の成立により、自動車業界全体はプラス成長になると予測する。

 

 

詳細については、お問い合わせくださいwww.mirdatabank.com