業界観測

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2022年上半期産業用ロボット上位メーカー20社

2022年上半期中国市場に於ける産業用ロボット出荷上位メーカー20社が正式に発表されました。



MIR DATABANKのデータによると、2022年上半期の中国産業用ロボット市場の出荷台数は13万台を超え、市場の活況はメーカーの市場パフォーマンスを抜きには語れない。MIR睿工業は2022年上半期の産業用ロボットメーカー各社の出荷台数に基づき、2022年上半期中国市場に於ける産業用ロボット出荷台数上位メーカー20社」を選出した。これは、産業発展の構造を洞察し、優れたメーカーを奨励して産業のベンチマークを打ち立てることを目的としている。


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*上・下の矢印は2021年中国市場の産業用ロボット出荷上位メーカー20社と比較した順位の変化を指す。


2021年通年の中国市場に於ける産業用ロボットのメーカー別出荷台数を見ると、2022年上半期のメーカー別順位に大きな変化が見られた。

Fauncは依然として一位で市場の成長を牽引し、7社のメーカーの順位が低下し、12社のメーカーの順位が少し上昇していることが分かる。その中、Staubliは6位上昇、ESTUNは2位上昇、JAKAとROKAEは2021年はランクインしていなかったが、2022年上半期は新規参入メーカーとなり、JAKAは直接16位に浮上した。

上位メーカー20社はやはり外資系が多数を占め、12社がランクインし、8社が国産メーカーで、上位メーカー10社に入ったのはEstunとInovanceの2社だけだった。

多くのメーカーは順位が下がった原因を分析してみると、主に疫病の影響を受けた。中国国内の多くの産業用ロボット工場は華東地域に分布しているが、4、5月は上海と周辺地域の感染症が特に深刻で、工場の生産が妨げられ、貨物輸送が困難になり、多くのロボットメーカーも影響を受けた。例えば、上海にあるABBロボットの工場では正常な生産と出荷ができず、また、ABBロボットに使われている部品の多くが海外からの輸入品であった為、納期が延び延びになっていた。

疫病の為、業界の景気の差別化が顕著になり、2022年上半期の産業用ロボット市場は主に新エネルギー車と新興業界の需要にけん引され、太陽光発電、リチウム電池業界の産業用ロボットに対する需要が大幅に高まった。ESTUN、INOVANCE、Efortも太陽光発電とリチウム電池業界での事業展開によって利益を享受し、上半期の出荷の伸びが速く、ある程度その順位の上昇を後押した。


その他に、内資企業・外資企業、上場企業・未上場企業を一つのカテゴリに分け、「2022年上半期中国市場に於ける産業用ロボットの国産メーカー出荷台数上位メーカー20社」、「2022年上半期中国市場に於ける産業用ロボットの外資系企業出荷台数上位メーカー15社」、「2022年上半期中国市場に於ける産業用ロボットの未上場企業出荷台数上位メーカー10社」を選定し、詳細は下記の通り:

 

内資企業上位メーカー20社:ESTUNが内資メーカーの中で一位、Efortが順位上昇


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総じて見ると、内資メーカーは依然としてESTUNとInovanceが上位メーカーで、霊猿、天機、配天等は後方で次第に力を入れ、Efortの順位は第三位に上がった。主に新エネルギーの太陽光発電とリチウム電池業界の発展によりEfortの出荷は更に増加し、また、Efortの2022年上半期の決算報告を見ると、海外のシステムインテグレーション事業は感染症から受けた影響が徐々に弱まり、プロジェクトの実行状况は前年同期より改善し、中国国内のシステムインテグレーション事業も制限されず、会社インテグレーション事業全体は前年同期比約10.16%増となった。


外資企業上位メーカー15社:YaskawaEpsonKUKAが軒並み上昇


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全体的に見ると、ランクインメーカーの中で内外資ロボットが「上位メーカー4社」が大半のシェアを占めている。YaskawaとKUKAは2021年に比べて順位が上昇し、EpsonはSCARAモデルの出荷台数の急速な伸びによって、同社の産業用ロボット全体の出荷台数の成長をけん引し、「上位メーカー4社」に入り、第三位になった。

 

非上場企業上位メーカー10社:多くのコラボレーションロボットメーカーがランクイン、複数回の資金調達が成長を後押し


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ある段階での企業の発展を評価すると、上場企業が発表した決算報告を見れば、非上場企業にとっては、同社の融資状况はある程度で同社の発展状况の良し悪しを証明することもできる。

コラボレーションロボットは以前から資本に好まれているセグメント分野であり、これまでに、JAKAロボットとAUBOは6回の融資を完了した。調達した資金は研究開発への投資を増やし、工場を拡張し、全体的な実力を更に高めるのに役立てる。

未上場企業の出荷台数上位メーカー10社の資金調達状況

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(情報源: MIR睿工業が公開資料により整理)

 

上記3つのリストの他にも、メーカー別の出荷モデル別に「2022年上半期の中国市場に於ける垂直多関節ロボット出荷上位メーカー10社」、「2022年上半期の中国市場に於ける水平多関節ロボット出荷上位メーカー10社」、「2022年上半期の中国市場に於けるパラレルリンクロボットDelta出荷上位メーカー10社」、「2022年上半期の中国市場に於けるコラボレーションロボットCobots出荷上位メーカー10社」を発表した。詳細は来週リリース見込みで、しばらくお待ちください。



備考*全てのランキング解釈の権利は最終的にMIR睿工業が所有する。

*全てのデータは、MIR DATABANKから提供されている。

ランキングに於ける産業用ロボットの定義は以下の表のとおり:

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