業界観測

数年に亘り、工業分野の仕事で培った経験を通じ、客観的に蓄積した膨大なデータを基に、お客様へ弊社ならではの独自のアドバイスをご提供します。


ホームページ > 業界観測

インフラ建設:2022年経済を安定させる「バラスト」

経済の下振れを背景に、財政政策を通じてインフラ建設を促進することは、マクロ経済を安定させる上で重要な意味を持つ。


2022年、不動産投資、消費、輸出の限界が弱まり、製造業の投資が損なわれる中、中央と地方の従来型インフラ建設、新エネルギーインフラ建設、主要プロジェクトの投資に力を入れる方向が既に明確になっている。

5月末、国務院弁公庁は正式に「経済を着実に安定させる政策措置」を発表し、第一位に置いたのは7つの財政政策で、財政政策は今回の市場主体を活性化する重要な政策であり、投資と消費の見通しの改善に役立つ。

政府の財政政策はインフラ投資の余地を広げる面で独特な優位性があり、公共支出を増やし、企業の税金を下げ、社会発展の短所を補うために比較的急速に行動することができる。経済の下振れを背景に、財政政策を通じてインフラ建設を促進することは、マクロ経済を安定させる上で重要な意味を持つ。




一、  新インフラはどの業界に集中するのか?




2022年に各省が発表した主要プロジェクトを分析:交通インフラ(道路、鉄道、空港、港湾など)、デジタルインフラ(データセンター、5G基地局など)、市政及びインフラ、エネルギー施設(電力、太陽光発電など)などの業界が2022年の建設の重点である。

交通インフラプロジェクトは各省の計画に於いて絶対的に重要な位置を占め、また新たな田舎道路の建設と改造を開始し、2022年末までに、合計15万キロメートルの田舎道路が新築・改築され、8万キロメートルの田舎道路の安全と生命保護プロジェクトが実施され、田舎道路の8000の危険な橋が改造されると予想される。

「データセンター」にも注目する必要がある。国家発展改革委員会のデータによると、2022年以降、全国10ヶ所の国家データセンタークラスターの中で、新たに着工したプロジェクトは25件で、各方面で1900億元以上の投資が促進された。

エネルギー施設の建設も重要なポイントであり、2022年Q1、最初の約100 GWの大型風力発電基地プロジェクトは既に約84 GWが着工された。「政策措置」では、一連のエネルギープロジェクトの実施を急ぎ、2022年のエネルギー分野で着工可能な条件を基本的備えた主要プロジェクトの早急な実施を推進することが提起された。

2022年、北京、上海、広東、江蘇、山東が発表した主要プロジェクトの業界分布:


1.png

2.png

3.png

4.png

5.png




二、  広東、山東などの省は、5月に特別債の発行額が千億を超え、インフラプロジェクトの建設を推進!




特別債は、政府が投資を刺激する最も直接的で、最も効果的な政策ツールの一つである。最新のデータによると、2022年5月以降、地方政府の特別債の発行額は1.6万億元近くに達した。その中で、5月の発行額は1.2万億元で、6月から現在までの発行額は0.37万億元である。5月以降、広東、山東、四川、河北、河南の5省に於ける政府特別債の発行額はいずれも千億元を超え、それぞれ1824.92億元、1578.18億元、1242. 85億元、1127.23億元、1100.26億元である。

広東、山東、四川、河北、河南に於ける主に建設した代表的プロジェクト:

6.png



三、2022年、地方に於ける主要建設プロジェクトの発表時点は予定より早く、地方で主要プロジェクトの着工ブームが開始




2022年以降、各地で主要プロジェクトの投資計画が次々と発表され、発表時点は2021年より明らかに早かった。統計によると、2年連続で主要プロジェクトの投資計画を発表した16省・市の中で、14の省・市の発表時点が去年より早かった。地方では主要プロジェクトの着工ブームが開始され、多くのプロジェクトが集中的に着工された。5月23日、河北省石家庄で第2期主要プロジェクトが集中的に着工され、574の主要プロジェクトが集中的に着工され、投資総額は834.3億元である。6月6日、上海市臨港新片区(南匯新城)でQ2の主要プロジェクトが集中的に着工され、合計11のプロジェクトが含まれ、投資総額は約118.7億元である。6月9日、投資総額が201億元の10の主要プロジェクトが山東省青島市集積回路産業パークで集中的に着工されたなど。

主要プロジェクトの早期発表日数

7.png

(データ出所:公開資料整理)

 

付録- MIR DATABANKは一部の省・市に於ける2022年主要プロジェクト投資計画を収集


8.png